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早起き生活

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1970年、高度成長期がピークを迎えたころ、家電メーカー各社は競って高性能のレコードプレイヤー、いわゆる「ターンテーブル」を発売していた。松下電器の高級音響機器ブランド「テクニクス」でターンテーブルを開発していたのが今回の主人公、小幡修一だ。
そもそもターンテーブルは、モーターの動力をゴムベルトなどを使って回転台に伝え、レコードを再生させていた。しかし、そのベルトがへたってくると、わずかながら回転にムラが出てしまう。そこで小幡は「ダイレクトドライブ」という、ベルトを使わず、モーターと回転台を直結させる方式を開発。その結果止まっている状態からわずか0.7秒で定速回転に達するという、驚異的な性能を持つターンテーブルを作り上げたのだ。だがその評価は芳しくなかった。当時、高級ターンテーブルを使っていたのは、クラッシックなどをゆったりと聞く人々で、誰も高性能さを求めていなかったのだ。
時は流れ1975年。アメリカのある場所で、小幡の手がけたターンテーブルが爆発的な人気を得ているというのだ。その場とは日本ではまだブーム前のディスコ。小幡は早速開発チームを率いてアメリカのディスコへ視察に行った。そこで小幡は目にした光景に驚いた。DJがレコードをべたべたと直接手で触り、さらにはターンテーブルの上でこすってノイズを立てていたのである。小幡の作ったターンテーブルは本人も知らないところで新しい音楽を生み出していたのだ。しかし、このことは開発者たちに大きな衝撃を与えた。「俺たちが丹精込めて作ったターンテーブルを、こんなに手荒に使うなんて・・」だが、そのとき小幡は売れなかったターンテーブルのことを思い出した。「よいものを作るのは技術者だけじゃない、使う人も一緒になって創っていくのだ」と。